妊娠期の口腔内
妊娠期は歯とお口のトラブルが増えやすい時期です。
妊娠による、女性ホルモンの増加でお口の中の状態は大きく変化します。
お口の中を正常に保つ唾液の分泌が低下してしまい、その影響で妊娠性歯肉炎やエプーリス(歯肉腫)などになりやすくなってしまいます。
また、つわりが酷くブラッシングが難しい場合やつわりによる胃酸で歯が溶ける(酸蝕症)というようなことが起きる場合もあります。
さらに歯周病が低体重児早産を引き起こす可能性もあります。
以上のことを予防するためにも歯科医院での診察をおすすめしております。
治療の適正時期は妊娠中期(16週~27週)となります。
この時期は体調が落ち着いているので、麻酔や抜歯などほとんどの治療が可能です。
また、妊娠初期(0週~15週)や妊娠後期(28週~40週)でも治療を行った方がメリットが多い場合は応急処置を行う場合もあります。
全身の状態や妊娠の時期によっても治療方法は様々ですので気軽にご相談ください。
生まれたばかりの赤ちゃんにはむし歯菌はいません
むし歯の原因菌(ミュータンス菌)はお母さんや周りの家族の人の唾液から感染します。子育て感染(母子感染)ともいい、大人が使用した箸やスプーン、キス、フーフーしてから与える、噛み与えなどにより、お子さんに感染していきます。
歯が生えてないうちはミュータンス菌は住みつかず、歯が生える生後6ヶ月から感染が始まります。 1歳7ヶ月~2歳7ヶ月は「感染の窓」と呼ばれ最も注意が必要です。
この時期にミュータンス菌の感染を防ぐことが出来ればお子さんのむし歯になる確率を低下させることが出来ます!
2歳までにむし歯菌がなかった子供が4歳になったとき、むし歯の本数はわずか0.3本。2歳までにむし歯菌の感染があった子供が4歳になったときには、むし歯の本数は5本もありました。わずか2年のケアの違いでむし歯の本数に16倍もの差ができました。
感染してしまうと2歳児から急激にむし歯が増加してくるため、それより前の時点でお子さんの定期管理を始めることをおすすめします。
家族のためにもまずはお母さんから
- 母子手帳をご持参ください!
- 0歳から6歳までのお子さんの健康状態を記入することができます。
イエテボリ大学の研究ではむし歯菌が多い母親が、歯科医院で適切なむし歯治療をし、歯のクリーニングを行うことで、子供へのむし歯菌の感染率やむし歯の発症率が大幅に低下したと発表しています。
母親の予防管理によるむし歯菌感染率
むし歯の多いお母さんから生まれてきた赤ちゃんには、むし歯の発症率も高くなる傾向にあります。 お母さんの意識ひとつで、将来のお子さんの口腔内は決まります。
「わが子をむし歯から守りたい・・・」大切なお子さんだからこそ、むし歯で辛い想いはさせたくないですよね。
お母さんや、ご家族の方が自分の口腔内のむし歯菌の質を変える努力をすること、健康なお口を維持すること。これが、お子さんをむし歯から守る秘訣です。
当院では、「家族予防」をすることでマイナス1歳からのむし歯予防を目指します。マイナス1歳・・・つまり、お母さんの口腔の健康がなによりも大切です。
むし歯にさせない努力をすることよりも、原因を減らすことの方がずっと簡単です。子育てをするうえでスキンシップはとても大切な時間・・・お子さんの溢れる笑顔をご家族で守っていきましょう。