ファミリー向け歯科治療
歯周病のチェックリスト
こんな症状がある方は歯周病の可能性があります。
- 歯磨きや食事の際に出血することがある。
- 歯と歯ぐきの間が広くなっている気がする。
- 口臭が気になるようになった。
- 歯がぐらつく。
- 歯が伸びた気がする。
思い当たる項目がある方はこのページを読んでみてください。
歯周病は早めの治療が大切です!
歯周病は、歯科の三大疾患の一つで日本人に多い病気です。むし歯にならないよう歯を守る事も大切ですが、歯を支える歯ぐきもとても大切です。
歯周病は限度を越えてひどくなると、どんなに一生懸命に治療しても手遅れになります。治療に早すぎるという事はありません。あまりひどくならないうちに完全に治療する事が重要です。
歯周病は歯ぐきだけが腫れた状態となる歯肉炎(しにくえん)と、歯と歯ぐきをつないでいる部分が壊されたり、歯を支えている骨が壊される歯周炎(ししゅうえん)に分類されます。

歯周病はどのようにして進行するのでしょうか?
歯肉炎
進行度 ★☆☆☆
歯肉(歯ぐき)が赤く腫れます。
歯磨きや食事の際に出血することもあります。

歯周炎
進行度 ★★☆☆
歯と歯肉の間が広くなり隙間になり、出血したり膿が出ます。口臭が起こる場合があります。

歯槽骨の破壊
進行度 ★★★☆
歯と歯肉の間の歯周ポケットが炎症し、歯槽骨が少しずつ溶けてきます。歯が多少ぐらついてきます。

歯が抜けてしまう
進行度 ★★★★
歯槽骨が溶けてしまうことで、歯を支えられなくなり根元が見えてきます。後に歯が抜けてしまいます。

歯周病の治療方法
◆ プラークコントロール
◆ スケーリング & ルートプレーニング
歯垢(プラーク)は時間が経てば歯磨きでは取り除くことができない歯石になり、歯石は歯周病菌の格好の棲家となるため、早めに取り除くことが大切です。
歯石・歯垢(プラーク)を除去し、再び付着しづらくする治療法がスケーリング&ルートプレーニングで、歯磨きでは取り除けない歯石はもちろん、取り除けていない歯垢(プラーク)を歯医者で除去することによって炎症が収まっていき、歯周ポケットの深さも浅くなりますので、歯周病の進行を抑え、症状の改善が期待できます。
◆ 詰め物や被せ物の修正治療
詰め物や被せ物の不適合があると、歯垢(プラーク)が付着しやすく、歯磨きで除去する事が難しくなるため、詰め物や被せ物が合っているかを確認し、合っていなければ修正する治療が行われます。
詰め物や被せ物が適合するようになるだけで、歯垢(プラーク)が付着しづらくなり、また付着した歯垢(プラーク)を取り除きやすくなるため、歯周病の進行を抑え、症状の改善が期待できます。
◆ 生活習慣の改善
病気、睡眠不足、ストレスを感じているときなど抵抗力が落ちているときは歯周病菌に感染しやすくなります。
十分な睡眠、適度な運動、ストレス解消は歯周病を治療していくうえでも欠かせません。
また、歯周病と関係の深い糖尿病にならないような食事、よく噛んで食べるなど食生活を見直す事も必要です。
◆ 治療後の定期検診
歯周病の治療が終われば、それで後は何もしなくても良いというわけではありません。
一度歯周病になってしまった場合には、再度歯周病になってしまう可能性が高くなります。
そのため、再発を防ぐために歯周病の治療後の定期的なメインテナンスが重要になります。
歯周内科治療とは
『 薬で歯周病を治す、新しい治療法です 』
歯周内科治療は位相差顕微鏡で、お口の中に感染している細菌・真菌・原虫などを特定し、動画管理システムに記録しそれらの微生物に感受性のある薬剤を選択し、微生物叢を非常に綺麗な状態に改善することで歯周病を内科的に治す治療方法です。
治療前の非常に汚れた微生物叢が治療後は非常に短期間で綺麗に改善し、術前・術後の状態が一目瞭然に画像で示されるという利点があることが知られています。
また、はっきりと自覚できる程、歯茎からの出血や排膿が短期間で改善されます。以前は、長時間歯磨きや外科治療によって1~2年の治療期間でそのような綺麗な微生物叢を獲得していたのです。
微生物叢が改善されたら、歯石を除去します。その場合も、微生物叢が改善されていると、冷たいものがしみるというような症状が非常に少なくなることが知られています。
(なお、前歯においては短期間で歯ぐきが縮むので、歯が伸びたような感覚が生じることがあります。そのような場合には、残念ながら通常の治療では元々骨が溶けている状態ですので、改善は難しいようです。その場合は特殊な審美外科を行う必要があるかもしれません。)

歯周内科治療の治療方法
この治療方法は4つの大きなポイントがあります。
- 位相差顕微鏡での菌の確認
- 細菌の除去薬剤の内服
- カビとり歯磨き剤での歯磨き
- 除菌後の歯石とり
特に1は、非常に大きなポイントです。位相差顕微鏡でお口の中の菌を確認しなくてはなりません。
歯周病菌がいるのか、カビが多いのか、あるいは非常にきれいなのか。位相差顕微鏡で確認しないと、お薬の選択ができないのです。
※歯周内科治療の処置はすべて保険外治療になります。
(むし歯の治療や歯をかぶせるなどの治療は保険を適応することは可能です。)
位相差顕微鏡検査のすすめ
顕微鏡検査では歯周病菌やカビ菌がほとんどの方に見られます。われわれは患者さんのお口の中の汚れをほんの少し採取し、それを顕微鏡で観察します。
顕微鏡で見ることで、今現在の菌の状態を確認することができ歯周病になりやすいかどうか、今はどういう状態なのか、これからどういう状態になっていくのかが分かります。
さらに映し出された動画像を拡大表示する機能を用いて、治療効果のよりわかりやすい説明を聞くことが可能です。
※顕微鏡検査は無料です。
エピオス(高純度次亜塩素水)
当院ではエピオスという殺菌水システムを導入しております。水道水を更に電気分解し、電解中性殺菌水を生成するシステムです。
口腔内の消毒など診療で用いる水はエピオスシステムで生成された殺菌水を使用しております。
◆ エピオス水とは?
不純物を極限まで取り除いた超純水と食塩とを混合し、電気分解した、薬品などをまったく使用しない安心・安全な高純度次亜塩素水(HCLO)です。一般的に使用されている次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)とは異なります。産生される次亜塩素酸の作用により強力な殺菌力を発揮する一方で、人体には無害な水なのです。
次亜塩素酸は人体由来の免疫成分であり、人間の体内で白血球が、侵入してきた微生物に対し、殺菌する過程で産生する成分ですので、小さいお子様からご年配の方まで安心してご使用いただけます。

歯周病を薬で治す治療
歯周病は主に口腔内の細菌が原因で発病します。現在行われている歯周病治療は、歯石を除去する事で菌を減らす事が出来ても、完全に除去することができないため、いわゆる「対処療法」でしかありません。歯周内科治療は、お薬で除菌する治療法で、完全な菌の排除を目指しています。発見が早いほど、菌を取り除くだけでも完全に治す事が可能になりました。
歯周内科では、検査内容に応じて最適な内服薬や歯磨き粉で治療を行います。お口の中を清潔にする方法ですので、歯周病の進行状況に関係なく予防にも最適です。

歯周病を再発しないために
歯周病が治ったら再感染に気をつけましょう!回し飲み、回し食い、箸の使いまわし、キス、くしゃみなどで感染する場合があります。ご家族から感染する場合がございますので、夫婦一緒に治療することをお勧めします。
ホームケア・メンテナンスの大切さ
お口の中を清潔に保つことが大切です。お口の中が清潔であれば歯周病菌が感染する可能性は低くなります。そこで毎日の歯磨きが大切です。歯科医院でブラッシングのコツを教えてもらいましょう。毎日の歯磨きで歯周病菌が増えることを防ぐことができます。自分で磨けない部分が必ずありますので、定期的に歯周病をおこす細菌が再感染していないか、また、お口の中が再感染しやすい環境になっていないか、歯科医院での顕微鏡を用いた定期検診を受け、歯のクリーニングを受けましょう。
予防歯科治療とは
むし歯になる前に、予防することが大切です!
予防歯科はむし歯や歯周病の予防を施します。歯の表面についた汚れはプラーク(歯垢)と呼ばれています。このプラークが原因となり、むし歯が進行していきます。
プラークは歯牙細菌苔ともいい、単なる食べカスではなく、生きた細菌の集合体が、歯の表面に苔のように発生しています。その細菌が出す酸が、歯の表面を覆うエナメル質を溶かし象牙質、歯髄へと浸透します。象牙質や歯髄はエナメル質よりもやわらかいので、ここまで来るとそれまでよりもずっと早く溶け、むし歯が進行していきます。

PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)
PMTCとは、専用の器具を用いて行うプロによる歯のクリーニングのことです。毎日のブラッシングで落としきれなかった汚れを完全に除去し、むし歯や歯周病を防ぎます。
どんなに毎日丁寧に磨いていても、磨き残しはどうしても出てしまうものです。歯と歯ぐきの隙間(歯周ポケット)には歯ブラシが届かないのです。PMTCをすることにより、自身では取り除けない汚れを除去し口腔内を清潔に保ちます。


Step 1
専用のチップで歯と歯の汚れを丁寧にとります。

Step 2
柔らかいカップ状の機械で、汚れを完全に落とします。

Step 3
洗浄液できれいに洗います。
- ◆ 歯周疾患の改善及び進行防止
ご自身では、磨きにくい部位の歯垢(細菌の塊)を完全に除去し、歯肉の状態を健康にします。
- ◆ むし歯の予防
ブラッシングだけでは落とすことの出来ない歯垢(細菌の塊)を破壊し、フッ素塗布で歯垢(細菌の塊)の再付着を防ぎむし歯の発生や進行をおさえる事が出来ます。
- ◆ 歯質の強化
歯垢(細菌の塊)を取りきった歯の表面に直接フッ化物入りペーストを用いることで歯の再石灰化(歯を強くする)を促進することができます。
- ◆ 審美性の向上
ステイン(タバコのヤニ、コーヒー、お茶などの着色)を除去し、光沢のある歯の表面を回復することができます。
フッ素でむし歯予防を!
フッ素は歯を強くする成分で、むし歯に対して抵抗力の弱い乳歯などをむし歯から守る薬剤です。このフッ素を定期的に歯に塗ることで歯質を強化します。
歯に直接フッ素を塗るので、市販の歯磨剤よりも効率的に取り込むことが出来ます。初期のむし歯を修復する効果や歯垢の中にあるむし歯菌の働きも抑える効果もありますので、幼児期のむし歯予防には効果的です。
フッ素はフッ素入り歯磨き粉、フッ素のうがい薬などがありますが、歯医者による歯面へ直接のフッ素塗布がより効果的です。

多項目・短時間唾液検査システム
Salivary Multi Test(SMT)
測定時間わずか5分!
簡単な3ステップで6項目測定できる唾液検査です。
「むし歯菌」「酸性度」「緩衝能」「白血球」「タンパク質」「アンモニア」の6項目を採取した唾液から測定します。

メンテナンスグッズの選び方
◆ より適切なケアを
むし歯や歯周炎は、年齢などによってそのリスクや状況が変化します。
いわばライフステージに合わせて、そのときに最も適切なケアができれば理想的です。
一例を示すと以下のようになります。


◆ より高い効果を
さらにきめ細かくいえば、含まれる薬用成分の濃度、種類、作用時間なども個々の状況に応じたものを選び、使用する道具(歯ブラシほか)なども含めて考えられれば、高い効果が期待できます。

マタニティー歯科治療とは
妊娠期の口腔内
妊娠期は歯とお口のトラブルが増えやすい時期です。
妊娠による、女性ホルモンの増加でお口の中の状態は大きく変化します。
お口の中を正常に保つ唾液の分泌が低下してしまい、その影響で妊娠性歯肉炎やエプーリス(歯肉腫)などになりやすくなってしまいます。
また、つわりが酷くブラッシングが難しい場合やつわりによる胃酸で歯が溶ける(酸蝕症)というようなことが起きる場合もあります。
さらに歯周病が低体重児早産を引き起こす可能性もあります。
以上のことを予防するためにも歯科医院での診察をおすすめしております。
治療の適正時期は妊娠中期(16週~27週)となります。
この時期は体調が落ち着いているので、麻酔や抜歯などほとんどの治療が可能です。
また、妊娠初期(0週~15週)や妊娠後期(28週~40週)でも治療を行った方がメリットが多い場合は応急処置を行う場合もあります。
全身の状態や妊娠の時期によっても治療方法は様々ですので気軽にご相談ください。
生まれたばかりの赤ちゃんにはむし歯菌はいません
むし歯の原因菌(ミュータンス菌)はお母さんや周りの家族の人の唾液から感染します。子育て感染(母子感染)ともいい、大人が使用した箸やスプーン、キス、フーフーしてから与える、噛み与えなどにより、お子さんに感染していきます。
歯が生えてないうちはミュータンス菌は住みつかず、歯が生える生後6ヶ月から感染が始まります。 1歳7ヶ月~2歳7ヶ月は「感染の窓」と呼ばれ最も注意が必要です。
この時期にミュータンス菌の感染を防ぐことが出来ればお子さんのむし歯になる確率を低下させることが出来ます!
2歳までにむし歯菌がなかった子供が4歳になったとき、むし歯の本数はわずか0.3本。2歳までにむし歯菌の感染があった子供が4歳になったときには、むし歯の本数は5本もありました。わずか2年のケアの違いでむし歯の本数に16倍もの差ができました。
感染してしまうと2歳児から急激にむし歯が増加してくるため、それより前の時点でお子さんの定期管理を始めることをおすすめします。

家族のためにもまずはお母さんから
母子手帳をご持参ください!
0歳から6歳までのお子さんの健康状態を記入することができます。
イエテボリ大学の研究ではむし歯菌が多い母親が、歯科医院で適切なむし歯治療をし、歯のクリーニングを行うことで、子供へのむし歯菌の感染率やむし歯の発症率が大幅に低下したと発表しています。

母親の予防管理によるむし歯菌感染率
むし歯の多いお母さんから生まれてきた赤ちゃんには、むし歯の発症率も高くなる傾向にあります。
お母さんの意識ひとつで、将来のお子さんの口腔内は決まります。
「わが子をむし歯から守りたい・・・」大切なお子さんだからこそ、むし歯で辛い想いはさせたくないですよね。
お母さんや、ご家族の方が自分の口腔内のむし歯菌の質を変える努力をすること、健康なお口を維持すること。
これが、お子さんをむし歯から守る秘訣です。
当院では、「家族予防」をすることでマイナス1歳からのむし歯予防を目指します。
マイナス1歳・・・つまり、お母さんの口腔の健康がなによりも大切です。
むし歯にさせない努力をすることよりも、原因を減らすことの方がずっと簡単です。
子育てをするうえでスキンシップはとても大切な時間・・・お子さんの溢れる笑顔をご家族で守っていきましょう。